20歳で結婚した。すぐに子どもが生まれた。長女が3歳になった時、長男が生まれた。結婚してからずっと子育てで、同じ年の旦那の給料では食べていくのがやっとだった。同級生が自分で稼いだお給料を、エステやお洋服、習い事に使って自分を磨いていくのを横目で見ながら、自転車の前と後ろに子どもを乗せ、1円でも安いスーパーをハシゴして日々を過ごしていた。若すぎるという親の反対を押し切ってした結婚だったので、泣き言をいうわけにもいかず、この生活は「幸せなんだ」と言い聞かせていた。
エステはもちろん、最低限の化粧品を買うことさえも夫に気が引けた。美容室に行くこともできず、100円ショップのはさみを使って自分で前髪を切り、後は適当に髪をまとめて暮らしていた。20代にして生活の疲れは顔や姿に現れていたと思う。どんどん垢ぬけてきれいになっていく友達に会うたびに「早く結婚するとエステにも行けないのか、きれいになることもできないのか」そんな思いをいつも心の底に抱いていた。早すぎた結婚が全て諸悪の根源であるかのように思ってしまったこともあった。あの頃を思い出して最近思う。
私はあの時どうしてもエステに行きたかったわけではない。現に子どもたちが大きくなって、時間にもお金にも余裕ができた今でさえ、エステに行こうなどと思ったことは一度もない。あの頃の私は他の大勢の人とは違う生き方をしてしまったのではないかという漠然とした不安から、きれいになれない自分をことさら不憫に感じてしまっていたのだと思う。息子にちょっとしたお小遣いを渡し足裏マッサージをしてもらっている私は今最高に幸せを感じている。